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レジで4歳が「いしいってかいてある」と言った日|子連れの買い出しが重い本当の理由

yutaromaru111
9月8日
読了時間: 3分

家族みんなで買い物に行くと、レジに着くころには、夫婦の会話が減っている。


「これ、いる?」


「うん」


必要なことだけを、短く言い合う。

べつに、ケンカをしたわけじゃない。

でも、カゴは重くなり、子どもは走り回り、店内は寒く、時間だけが過ぎていく。


そうやって余裕が削られていくと、人は無口になる。

早くレジを抜けて、荷物を車に積んで、この時間を終わらせたい。


ようやくレジに並んだ、タイミング。


4歳の長男が、突然、大きな声を出した。


子連れの買い出しは、地味に重労働


卵、牛乳、野菜、ストック品。

カゴに入れるたびに、レジ後の運搬が重くなっていくのがわかる。


しかも夏のスーパーは、クーラーが効きすぎている。

子どもたちが冷えていないか、気を配る。上着を着せて、また脱ぎたがって、を繰り返す。


そのあいだも、子どもたちはあっちに行き、こっちで走り、勝手にお菓子を持ってくる。


ぼくも妻も、じわじわとイライラが溜まっていた。


レジで4歳が言った一言


「いしい、ってかいてある!!」


レジに並んだ瞬間、長男が大きな声でそう言った。


(ん?)


一瞬、なんのことかわからなかった。

視線をたどると、レジの女性の名札。


そこに、ひらがなで「いしい」と書いてあった。


うちの名字です。笑


長男は最近ひらがなを覚えたばかりで、読める文字を見つけるたびに報告してくれる。その延長で、たまたま見つけたのが、自分の名字だった。


すると、レジの女性が気を遣ってか、話しかけてくれた。


「一緒なの?」


「さいきん、ひらがなを、おぼえたばっかりで」


「あら、そうなの〜」


なんてことのない会話。

でも、その数秒で、ぼくの気持ちは、ふっとほどけた。


子どもの一言が、場の空気を変える


さっきまで、荷物が重くて、寒さが気になって、子どもは走り回って、夫婦の会話は最低限になっていた。


それが、あの一言と、店員さんとの数往復の会話で、一気に緩んだ。


長男には、空気を変えるつもりが1ミリもなかった。

そこには、気配りも、狙いも、計算もない。


これは、大人には絶対にできないこと。


でも子どもの一言は、まっすぐだから、まっすぐ届く。意図がないぶん、こっちの構えも解ける。


子連れの買い物でイライラする本当の理由


あのとき、ぼくをイライラさせていたのは、荷物の重さじゃない。寒さでも、子どもが走り回ることでもない。


余裕がなくなっていたこと、そのものだ。


だって、荷物の重さは、あの一言の前後で1グラムも変わっていない。子どもも相変わらず走り回っていた。


変わったのは、こっちの心の余白だけ。


しんどさの感じ方は、ちょっとしたことで変えることができる。そのスイッチを、4歳が勝手に押してくれた。


大人と子どもでは、見えているものが違う


この日、名札の「いしい」に気づいたのは、家族で長男だけ。ぼくも妻も、まったく見ていなかった。


大人は、レジで「早く終わってくれ」しか考えていない。


でも子どもは、そこに文字を見つけて、自分の名字と同じだと発見して、興奮していた。


同じ場所にいても、見えているものが全然違う。


もう少し顔を上げて、周りを見る余裕があったら、大人にも見つけられるものがあるかもしれない。


買い出しは、これからも重い。夏のスーパーは、これからも寒い。

でも、たまにこういう数秒がある。


イライラしたとき、何があれば気持ちがほどけますか?


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