「どれが出るか分からないけど、いい?」と聞いた100均のスーパー戦隊シール|ターボレンジャーが出て3歳が大泣きした日
「パパ! ゴジュウジャー!!!」「ゴジュウジャーあった!!!」
100均の店内に、3歳の次男の声が響いた。
指さした先にあったのは、スーパー戦隊のシールのパック。パッケージには、昔のスーパー戦隊から最近のスーパー戦隊まで、歴代ヒーローたちがズラッと並んでいる。
我が家の息子たちは、二人ともスーパー戦隊が大好き。だから、次男の気持ちが、ものすごく分かってしまった。これは、欲しくなるよな。
僕「よし。買うか〜」
僕「おーち? これ、どれが出るか分からないけど、いい?」
次男「うん!」
今思えば、ここで、もう少し丁寧に伝えておけばよかったのかもしれない。
このシールを欲しがったのは、次男。でも、兄弟げんかを防ぐために、長男の分も合わせて二つ買うことにした。
帰りの車の中。次男は、完全に夢の中にいた。
次男「ぼく、キョウリュウジャーがいいなぁ」
次男「トッキュウジャーもいるんだよねー」
パッケージを見ながら、自分の知っている戦隊ヒーローを、次々に言う。さらに、
次男「ぜんぜん全力、ぜ〜んかい♪」
ゼンカイジャーの歌まで歌い始めた。めちゃくちゃ楽しそう。
次男「もうあけていい?」
僕「家に着いてからね」
少しすると、また。
次男「もうあけていい?」
よっぽど楽しみなんだろう。僕は、その様子を見ながら、思っていた。これだけ戦隊知ってるから、まあまあの確率で、好きなやつは出るだろ。
そして、家に着いた。
人生は、ときどき容赦なくターボレンジャーを出してくる
家に入るなり、次男は何より先にシールを開けた。袋から出てきたのは、……ターボレンジャー。
……誰?
少なくとも、3歳の次男は知らない。次男の顔が、一瞬で曇った。
次男「これやだ」
そして、泣き始めた。
次男「これがでて、やだったーー!!!」
わぁ〜ん。
そうなるよね。だから言っただろ。笑 どれが出るか分からないって、言ったじゃん。
でも、3歳児にそれを言ったところで、たぶん何も解決しない。というか、今それを言ったら、火に油。ここは、まず共感するか。
僕「いやだったよねぇ」
次男「うん……わぁ〜ん」
そうだよな。君の頭の中では、キョウリュウジャーとか、トッキュウジャーとか、ゴジュウジャーとかが、もう出る気満々だったんだよな。
「分かってたでしょ?」が通じない年齢もある
大人からすると、「何が出るか分からない」という説明を聞けば、「欲しくないものが出る可能性もある」まで想像できる。でも、3歳は、そう単純じゃないのかもしれない。
「分からない」と、「欲しいものが出ないかもしれない」は、大人には同じでも、子どもにとっては、まだ別の話なんだろう。買う前は、楽しみの方が、圧倒的に大きい。だから、
僕「分からないけどいい?」
次男「うん!」
になる。
実際に欲しくないものが出て、初めて、「あ。こういうことか」になる。
その横で、長男も、自分のシールを開封した。出てきたのは、……ジュウオウジャー!!!
お。これは。次男が知ってて、好きなやつ。てことは、嫌な予感しかしない。案の定、次男が言った。
次男「あっちがいい〜!」
ですよね。さっきまで、ターボレンジャーで泣いていたのに、今度は、目の前に自分の欲しいヒーローがいる。しかも、兄の手元に。3歳児にとって、これは、酷な状況だ。
兄弟げんかの前に、パパが口を出してしまった
泣き叫ぶ次男を見ながら、僕は、つい口を出してしまった。
僕「おーち(次男)。こういうときは、交渉をしてみようぜ」
僕「おーちが出たターボレンジャーと、おーちが持ってるアンパンマンのシール。これも一緒につけて、『交換しよ?』って言ってみたら?」
親が介入するには、ちょっと早かったかもしれない。子どもの問題なんだから、もう少し待ってもよかった。兄弟どちらかが、何かを言うまで、見守ってもよかった。
でも、次男の気持ちが、分かりすぎた。好きなものが出ると思っていた。知らない戦隊だった。横を見たら、兄には、自分の好きなものが出た。つい、口を出した。
親が全部解決しなくても、「やり方」を渡すことはできる
次男は、なんとなく理解したらしい。少し泣き止んで、パパと一緒に、長男のところへ行った。
次男「これと……」
次男「これもあげるから……」
次男「交換して?」
そんな感じで、一生懸命お願いした。僕は横で、少し手伝った。
さて。長男はどうする。
別に、交換しなくてもいい。ジュウオウジャーは、長男が引いたものだ。「イヤ」と言っても、それはそれで当然だ。
ところが。長男は、あっさり言った。
長男「いいよ。」
え。いいの?
次男の顔が、パッと晴れた。
次男「やったぁ!!!」
そして5歳児は、急に『大人側』に立つ
交換が終わったあと、長男が次男に言った。
長男「おーちは、2歳だなぁ」
いや、3歳になったばかりですけど?笑 そして、言っている本人も、5歳になったばかり。でも、たぶん長男の中では、「君はまだまだ子どもだなぁ」「僕はもう5歳だからね」「誕生日も迎えたし、お兄ちゃんだからね」そんな声が、聞こえていたのだと思う。
本当なら、そのまま自分のものにしたらいい。でも、弟が泣いているのを見て、交換に応じた。それを見て、僕は、「優しいね」より先に、「あぁ、ちょっとお兄ちゃんになったな」と思った。
3歳は、欲しかったものが出なくて泣いた。5歳は、そんな弟を見て、少し得意げにゆずった。そして父親は、その間で、口を出しすぎたかな、と反省した。
誰か一人が成長したというより、家族みんなが、ちょっとずつ練習していたのかもしれない。
思い通りにならないときに、どうするか?
相手が困っているときに、どうするか?
どこまで助けて、どこから見守るか?
100円のおもちゃから、意外といろんなことを考えさせられた。
あなたは、子どもの「思い通りにならなかった」に、どこまで手を貸していますか?




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