団地と公営住宅の違いは入居条件|URと公社は所得の下限がある【4歳・2歳のパパ】
- yutaromaru111
- 8月28日
- 読了時間: 4分
「団地」と聞くと、古い、狭い、エレベーターがない。そんな絵が浮かぶ人は多いと思います。
不動産の仕事をしていると、住まいの相談を受けます。そのなかで「団地」という言葉のイメージだけで、はじめから候補から外れていることが、けっこうあります。
でも、ここに大きな誤解があります。団地と呼ばれているものには、性格のまったく違う2種類があって、その入居条件は正反対なのです。
団地は大きく2種類に分かれる
ざっくり分けると、こうです。
1つめは、住宅供給公社やURによる集合住宅。2つめは、市営・町営・県営などの公営住宅です。
見た目は似ています。同じような5階建てが並んでいることもあります。でも、目的からして違います。
公社やUR住宅は、主に中堅所得者層に向けて、良質な賃貸住宅や分譲住宅を供給することが目的です。家賃は、近隣の似たタイプの民間賃貸住宅に準じた「市場家賃」とすることが法律で定められています。つまり、安さのための住宅ではありません。
一方の公営住宅は、公営住宅法にもとづき、住宅に困窮する低額所得者に対して、低い家賃で供給されるものです。いわゆるセーフティネットで、福祉的な役割を持っています。
入居条件は「下限」と「上限」で正反対
ここからが本題です。入居条件が、逆なのです。
公社やURには、所得の「下限」があります。中堅所得者や勤労者が対象なので、基準額以上の月収があること、または基準額以上の貯蓄があることが条件になります。たとえばUR賃貸住宅なら、家賃8万2500円未満の物件の場合、家賃の4倍以上の月収が条件です。
一方、公営住宅には所得の「上限」があります。入居収入基準として、月収15万8千円を参酌して条例で設定されます。事情によっては、月収25万9千円を上限に基準を設定することも可能です。
さらに、入居後に収入が基準を超えると「収入超過者」となり、明渡しの努力義務が発生します。
同じ「団地」という言葉でも、求められるものが正反対だということです。
90平米のリノベ団地という選択肢
先日、大阪・堺市の茶山台団地の記事を読みました。泉北ニュータウンにある、大阪府住宅供給公社の団地。つまり公社のほうです。
ここでやっていることが、なかなか面白い。たとえば「ニコイチ」。隣り合う2つの住戸を1つにつなげて、約90平米の広々とした空間にするリノベーションです。これで子育て世代の呼び込みに成功しています。
グッドデザイン賞なども受賞していて、2023年2月末時点では入居率100%の満室だったそうです。さらに団地内には図書館や食堂、DIY工房まであるといいます。
90平米。都市部の新築マンションで探したら、なかなかの価格になる広さです。
古い団地のイメージのまま候補から外していたら、こういう選択肢には出会えません。
「知らない」だけで選択肢は減ってしまう
住まい探しをしていると、思い込みが本当に多いと感じます。
「団地って、収入が低い人向けでしょ」「公営住宅と同じようなものでしょ」
でも、条件は正反対です。公社やURは市場家賃なので、必ずしも激安ではありません。それでも、礼金や仲介手数料、更新料、保証人が不要だったり、リノベーションで広い間取りが出ていたり。知っていれば検討する価値のある選択肢であることは間違いありません。
逆に、収入が基準に届かなくて民間の審査が不安な人にとっては、公営住宅という制度があります。
大事なのは、どちらが上か下かではありません。自分の家族が、いま何を必要としているか。それに合う制度がどれか。それを知っているかどうかで、住まいの選択肢は大きく変わってしまいます。
家は、家族の暮らしを入れる器
不動産の仕事をしていて、つくづく思います。家は、その家族の暮らしを入れる器です。
だから「どこに、どう住むか」を考えるとき、その先の「誰と、どう生きるか」がセットになります。団地という選択肢も、そのなかのひとつ。
子育て中で、広さがほしくて、コミュニティのある場所で暮らしたい。そんな家族には、リノベーションされた公社団地が、意外とぴったりくることもあります。
イメージだけで外してしまうのは、もったいない。
あなたが家を選ぶとき、いちばん大事にしたいことはなんですか。
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