とうえいヒーローフレンズのぬりえ、見本ありと見本なしはどっちがいい?4歳と2歳とプリンターの前で待った休日
「どのぬりえがいい?」
パソコンの画面を開き、4歳と2歳の子どもたちを呼んだ。
画面には、スーパー戦隊や仮面ライダーのヒーローたち。
わが家の男の子たちには、ドンピシャ。
「マイスがいい!」
「ブンレッドもやりたい!」
画面を指さしながら、二人で次々に選んでいく。
選んだ画像をクリックして、プリンターの印刷ボタンを押す。
ウィーン。
機械の音がすると、子どもたちがプリンターの前に集まる。
まだ白い紙しか見えていない。少しずつ紙が送り出され、ヒーローの頭が現れる。
「パパ、もうとっていい?!」
ただ紙が印刷されているだけなのに、二人はドキドキした顔で見つめていた。
なんでもない一日が、少しだけ特別になった。
楽しい一日は、遠くへ行かなくてもつくれる
休日になると、親は考える。
今日はどこへ連れていこう。何を体験させよう。家にいたら退屈しないだろうか。
SNSを開けば、楽しそうな家族のお出かけが流れてくる。テーマパーク。季節のイベント。話題のお出かけ先。
子どもには、いろいろな経験をさせてあげたい。
でも、毎週出かけるのは親も大変。準備をして、車に乗せ、トイレを気にしながら遊び、帰宅したころには、大人が一番疲れてる。
お金も体力も使う。だからといって、家で動画を見せ続けると、少し罪悪感が残る。
そんな日に見つけたのが、東映の「とうえいヒーローフレンズ」だ。
とうえいヒーローフレンズのぬりえは、コンビニでも印刷できる
スーパー戦隊や仮面ライダーなどのぬりえが、家庭用として公開されている。
自宅にプリンターがなくても、スマートフォンに保存して、コンビニのコピー機からでも印刷できる。紙と色鉛筆かクレヨンがあればいい。
しかも、ただ親が印刷して渡すだけではない。
どれにするか、一緒に選ぶ。印刷ボタンを押す。出てくる瞬間を待つ。
この小さな過程も、子どもにとっては遊び。
楽しい一日は、大きな予定から生まれるとは限らない。
見本ありと見本なし、どちらがいいのだろう
東映の「とうえいヒーローフレンズ」のぬりえには、ぬりかたの見本がついている。
一方で、ぬりかたの見本が付いていないぬりえも世の中には存在する。ぬりえには二種類があるのだ。
見本があれば、ヒーローの本来の色が分かる。赤い部分。青い部分。銀色の部分。
完成形を見ながら、「ここは赤だね」「この部分は黒かな」と、同じように塗っていける。
一方、見本がなければ、どこを何色にするかは自分で決める。
顔を青くしてもいい。本当は黄色いピカチュウを、全部緑にしてもいい。
では、子どもにとってどちらがいいのだろう?それぞれに違う楽しさがあるはずだ。
見本ありは、迷わず始めやすい。ヒーローを「本物と同じにしたい」という子にとっては、見くらべながら近づけていくこと自体が楽しい。よく見て、色を探し、似せていく。まねっこは、よく見るための入口になる。
見本なしは、自分で決めることを楽しめる。どの色を使っても、間違いにはならない。「自分だけのぬりえ」をつくれる。
見本ありは、よく見る遊び。見本なしは、自分で選ぶ遊び。
どちらか一方が正解なのではなく、その日に子どもが何を楽しみたいかで変わるのだと思う。
「正しい色」より、子どもが選んだ色
親は、見本があると教えたくなる。
「そこは赤じゃない?」「顔はその色じゃないよ」「見本をよく見てみたら?」
せっかくなら、本物らしく完成させてほしい。線からはみ出さず、きれいに塗ってほしい。
ぬりえは、目で見た場所へ手を動かす遊び。だから、線の中を塗ろうとすることにも意味はある。
でも、はみ出したから失敗ということではない。特に4歳前後は、思いついた色を試したり、勢いよく手を動かしたりすることも含めてぬりえなのだと思う。
青いはずの部分を黄色に塗ったら、「そこは青だよ」と直す前に、「黄色を選んだんだね」と声をかけてみる。
そのあと、「見本と同じにする?自分の好きな色にする?」と聞いてみる。見本を使うかどうかまで、子どもが決めていい。
見本ありと見本なしを一枚ずつ印刷して、並べてみる。「今日はどっちにする?」と聞く。
正しいほうを選ばせるのではなく、子どもが今やりたいほうを選ばせる。
その選択から、ぬりえはもう始まっている。
同じ一枚でも、楽しみ方は変えられる
ぬりえは、印刷して塗ったら終わりじゃない。少し工夫すれば、同じ一枚から違う遊びが生まれる。
たとえば、同じぬりえを二枚印刷する。一枚は見本と同じ色で塗る。もう一枚は、好きな色だけで塗る。「本物のヒーロー」と「自分で考えたヒーロー」を並べても面白い。
親子で一枚ずつ塗るのもいい。大人が見本どおりに塗り、子どもが自由に塗る。途中で交換して、続きを塗ってもいい。
塗り終わったら、ハサミで切って、厚紙に貼る。壁にかざる。棒をつけて人形にする。完成したヒーローで戦いごっこを始める。
ぬりえを上手に仕上げることだけをゴールにしなければ、遊びはその先へ続いていく。
親の役目は、子どもが遊びを広げられるように、紙や道具を少し用意すること。そして、ときどき、「次はどうする?」と聞くことなのかもしれない。
プリンターから出てきた、小さな特別
遠くへ出かけなくてもいい。新しいおもちゃを買わなくてもいい。
パソコンの画面を一緒にながめ、「どれにする?」と相談する。印刷される紙を並んで待つ。好きな色を選び、同じ机で手を動かす。
それだけで、なんでもない一日に小さな物語が生まれる。
見本と同じ色に塗る子もいる。自分だけの色に変える子もいる。途中で飽きて、別の遊びを始める子もいる。
どれも、その日の子どもが選んだ楽しみ方。
親は、毎日を特別な日にしなくてもいい。特別な場所へ連れていけない日があってもいい。
いつもの暮らしに、ほんの少しだけ仕掛けを置く。それを子どもと一緒に楽しむ。
ウィーンというプリンターの音を聞きながら、そんな時間も十分に豊かな体験だと思った。
なんでもない一日に、どんな小さな仕掛けをつくりますか?
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