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シャトレーゼのアップルパイで兄弟ゲンカ|「べたべたするから、いらない!」と2歳に断られた4歳

yutaromaru111
9月27日
読了時間: 4分

わが家は、4歳の長男と2歳の次男の男兄弟。


ママと長男が二人で出かけた日の帰り。


「おーち(次男)、喜ぶかな?」


長男がそんなことを話しながら、次男の大好きなシャトレーゼのアップルパイを買ってきてくれた。


家に着くと、長男はうれしそうに袋を開けた。


「おーちの好きなアップルパイ、買ってきたよ〜。どーぞ」


自分が食べるためではない。弟を喜ばせたくて選んだアップルパイだった。


ところが、、、


差し出されたアップルパイに触れた次男は、ひと言。


「べたべたするから、いらない!」


まさかの拒否。


長男の顔が、みるみる曇っていく。


「うぅ……」


目には、涙がたまった。そして、大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちた。


弟が喜ぶ顔を想像していたのだろう。「ありがとう」と言って、おいしそうに食べてくれると思っていたのかもしれない。


その期待が、目の前で行き場をなくしてしまった。


どちらの気持ちを守ればいいのだろう


こういうとき、親としては迷う。


「せっかく買ってきてくれたんだから、少し食べたら?」


次男にそう言いたくなる。一方で、食べたくないものを無理に食べさせるのも違う。


長男には「お兄ちゃんなんだから、そんなことで怒らないの」と言いそうになる。


でも、それでは長男の悲しさも、次男の「べたべたするのが嫌」という感覚も、どちらも置いていかれてしまう。


誰が正しいのか。誰に謝らせるのか。どうすれば早く泣きやんでくれるのか。


親はつい、答えを急いでしまう。


けれど、この日は少しだけ、二人の続きを見ていた。


涙のあとから、怒りが出てきた


泣いていた長男の悲しさは、やがて怒りに変わった。


「もう、おーちは食べなくていい!!ぼくが食べる!」


泣きながら怒り、次男の前からアップルパイを取り上げた。


弟のために選んだ。喜んでくれると思った。でも、受け取ってもらえなかった。


大人でも、寂しい。


怒っているように見える子どもの中に、言葉にできない悲しさが隠れていることがある。


「べたべたしているねえ」


長男はアップルパイを自分で食べようとした。


その瞬間だった。


指先で表面に触れた長男が、目を丸くして言った。


「べたべたしているねえ」


悟ったような、驚いたような顔だった。


本当にべたべたしている。


次男は、意地悪で断ったわけではなかった。お兄ちゃんの気持ちを拒んだわけでもなかった。


ただ、べたべたするのが嫌だった。


それを長男は、説明されたのではなく、自分の指で知った。


一瞬、部屋の空気が止まった。


そして長男が笑った。


次男は最初、「えっ?」という顔で兄を見ていたけれど、すぐに一緒になって笑い出した。


少し前まで、涙と怒りでいっぱいだったのに。


僕も妻も笑った。


もし最初に僕が「弟にそんな言い方をしない」と叱っていたら。もし次男に「せっかく買ってきてくれたんだから食べなさい」と迫っていたら。


この「べたべたしているねえ」には、たどり着かなかったかもしれない。


ちゃんとした親でいようとしすぎなくてもいい


子どもが泣いていると、早く泣きやませたくなる。


兄弟がぶつかると、公平に裁かなければと思う。人前ならなおさら、「きちんとしつけなきゃ」という気持ちも出てくる。


でも、親が答えを出さなかったからこそ、子ども同士で見つけられることがある。


もちろん、危ないことや誰かを傷つける行動は止める必要がある。


それでも、すべてのすれ違いを親が解決しなくていい。


すぐに教えず、待つ。それぞれの気持ちを、ながめてみる。


その数秒の余白の中で、子どもは相手の世界に触れるのかもしれない。


長男は、泣いて、怒って、アップルパイを取り上げた。決してお手本のような展開ではない。


それでも最後には、自分で触って、弟の言葉の意味を知った。次男もまた、そんな兄のひと言に笑った。


親がまとめなくても、家族の空気は変わっていく。


アップルパイのべたべたが、兄弟の間にあった小さなすれ違いを、そっと溶かしてくれた。


あなたが最近、子どもの続きを待てたのは、どんな瞬間ですか?


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